【よくみられる皮膚病】
粉瘤
最もポピュラーな皮下腫瘤です。皮膚が皮下で嚢腫(袋のようなの)を作り、その中に角質(垢のようなもの)がたまって、 徐々に大きくなります。大きくなると半球状に皮膚面から隆起したりします。色調は正常皮膚色のこともありますが、 やや黒っぽく見えたり、皮膚への開口部は黒い点としてみえたりします。
放置しておくと徐々に大きくなり、中から臭いにおいのする粥状のものがでてきたりします。また、細菌感染もおこしやすく、 いわゆる「おでき」のようになることもしばしばあります。さらにまれではありますが粉瘤から皮膚癌が発生することもあり、 皮下にできる悪性腫瘍との鑑別が必要になることもあります。
治療は袋状の腫瘤を全摘することですが、一度感染を起こすと周辺の組織と癒着するため大きく切除しなければなりません。
エコー所見
脂肪腫
代表的な皮下腫瘤です。通常は脂肪織にありますが、筋層や真皮内にみられることもあります。触れると柔らかく、 皮膚面がやや隆起することもありますが、色調の変化などはみられません。大きさは様々ですが、徐々いに大きくなります。

良性腫瘍ですので放置しておいてもかまいませんが、皮下腫瘤は外から見たり、触っただけでは診断が困難なことも多く、 最終的には切除して病理組織学的に検査しなければ診断できません。脂肪腫でも同様で他の腫瘍と鑑別が必要な時には切除します。

当科では皮下腫瘤の大きさ、形態や局在を調べるために超音波エコーを活用しています。エコーは視診や触診だけでは得られない 情報を得ることができると同時に手術の時にも腫瘤の大きさや部位があらかじめ明らかであるため、参考になります。
エコー所見
色素性母斑
神経由来の細胞が増えたもので、比較的小さく盛り上がったものを「ほくろ」といい、大きく扁平なものを「あざ」と呼んでいます。 「ほくろ」は通常、黒褐色~褐色ですが、正常皮膚色に近いこともあります。よく「ほくろ」から皮膚癌になると心配される方がお られますが、巨大な色素性母斑を除いて、悪性化する頻度は正常の皮膚と変わりません。
鑑別すべき疾患がいくつかありますので、診断をかねて切除することがあります。 視診だけで診断できる場合は放置しておいてもかまいません。 治療を希望される場合は切除やレーザ照射を行います。

いぼ
一般にイボと言われているものには、感染するもの(ウイルス性)とそうでないものがあります。 多くの種類がありますので簡単に紹介します。
ウイルス性のイボ
尋常性疣贅 手足に見られる普通のイボ 冷凍凝固療法
扁平疣贅 顔や頚に多発する淡褐色で扁平なイボ 内服療法または経過観察
尖圭コンジローム 外陰部に多発する乳頭状の腫瘍 電気焼灼
伝染性軟属腫 いわゆる「みずいぼ」 外用療法または経過観察
うつらないイボ
老人性疣贅
褐色から黒色調で表面はイボ状のものが多い。大きさは様々で単発のものから多発するものもあり、 種々の臨床像を示します。悪性腫瘍との鑑別を要することがあり、その場合は切除します。 その他の場合は放置してもかまいませんが、冷凍凝固療法を行うこともあります。

アクロコルドン
中年以降のとくに女性の頸部、胸部、腋窩に多発する1~数mm大の有茎性の褐色小腫瘤
 治療 冷凍凝固療法


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