足白癬(みずむし) |
足底や趾間に水疱、糜燗や落屑を伴います。汗疱や掌蹠膿疱症との鑑別が必要です。また、角化型といって角質増殖が著明で亀裂を伴ってくるようなものもあります。足白癬があるとそこから細菌感染を起こすこともあり、足全体が赤く腫れ、発熱、疼痛を伴う蜂窩織炎になることもあります。 また、爪白癬は爪甲の白濁、肥厚や変形伴い、外用剤だけでは治癒しにくい疾患です。
抗真菌剤の内服を併用することもあります。あまり自覚症状はありませんが、やはり細菌感染(爪囲炎、ひょうそう)
の原因となることがあります。特に糖尿病の方はこれらの感染症を契機に壊疽になることがありますので、水虫のケアも重要です。 |
内科の病気 |
皮膚にかゆみを伴う場合、内科の病気を疑ってみる必要もあります。皮膚にかゆみを伴う内科の病気もたくさんありますが、代表的な者は腎臓の病気、肝臓の病気と糖尿病です。 これらの病気では、初期にはかゆみだけで皮疹がないことが多いのですが、徐々い皮膚が乾燥してきたり粗造になり、掻破による傷がついたりします。内科の病気が慢性であるため、皮膚のかゆみも長くつづくことが多いですが、少しでも症状をやわらげるために、薬を処方しています。
また、他の皮膚病との鑑別が必要まため、一度皮膚科を受診してください。 |
妊 娠 |
妊娠に伴い皮膚にさまざまな症状が出現することがあります。簡単に箇条書きにしておきましたので参考にしてください。 |
1.妊娠性そうよう Pruritus gravidarum 妊婦の1/5に痒み 肝内胆汁うったいによる胆汁中の起痒性物質?
2.妊娠性痒疹 Prurigo gestationis 強いかゆみを伴う紅色丘疹が多発する 主として経産婦の妊娠3~4カ月から出産まで 妊娠前期にみられるものと後期にみられるものに分けられる このうち後期にみられるものは5.の多形妊娠疹をほぼ同一とも考えられている
3.妊娠性疱疹 Herpes gestationis 妊娠中期より、あるいは出産後に紅斑上に多数の小水疱を生じる 激しいそうよう
4.疱疹状膿痂疹 Impetigo herpetiformis 軽い浸潤を伴う紅斑上に、多数の無菌性小膿疱 膿疱性乾癬様 妊娠2~3カ月頃に発症、出産後に生じる場合もある 低カルシウム状態が関係? 免疫抑制剤の使用、妊娠中絶も含めた対応
5.多形妊娠疹 Polimorphic eruption of pregnancy Pruritic urticarial papules and plaques of pregnancy 初回妊娠の後期1/3の時期に腹部を中心として四肢近位に強いかゆみを伴う 蕁麻疹様の丘疹や局面 腹壁の過伸展が関係すると考えられている 出産とともに消退、次回妊娠時には見られないのが普通 |
疥癬 |
指間、外陰部や腋窩など皮膚の柔らかいところに好発します。かゆみが極めて強いのが特徴です。
診断は写真のような疥癬虫や虫卵を顕微鏡下でみつけることです。治療にはオイラックスや安息香酸ベンジルローションの外用を主に行っていますが、症状の強い場合や集団発生した場合はやむを得ずγーBHCを用いております。 |