【よくみられる皮膚病】
麻疹(はしか)
 39℃前後の発熱を伴う風邪のような症状が2~3日続きます。この時期に結膜炎や頬粘膜にコプッリク斑(写真右 舌圧子周囲の小さい白い点)がみられます。  やや解熱したのち、再び40℃前後の発熱とともに皮疹が出現します。皮疹は小紅斑ですが融合傾向があります。この時期は重篤感が強いのが特徴です。  肝機能の異常はしばしばみられ、肺炎や脳脊髄炎を合併することもあります。  γグロブリンを2~3日点滴すると、通常は軽快します。
風疹
皮疹は帽針頭大の淡紅色斑で顔面、躯幹、四肢の順で現れますが、麻疹のような融合傾向はありません。成人の場合、発熱や全身倦怠感を伴いますが、麻疹のような重篤感はありません。この時期に結膜炎や口蓋粘膜の血管拡張みられます。また、後頭部や耳後部のリンパ節腫張が特徴的です。
 
妊娠前期に罹患すると先天性風疹症候群児(白内障、心奇形、難聴等)を出産する可能性のあることはご存じだと思います。

水痘
体幹を中心として紅暈をともなう小水疱が多発し、数日で痂皮を生じます。いろいろな段階の皮疹が混在し、頭部や口腔内にもできます。予後は良好ですが重症の場合は抗ウイルス剤を投与します。治癒後、神経節内に潜伏し後に帯状疱疹として再発することがあります。 
丹毒
主として顔面に出現する浮腫性紅斑で発熱、疼痛を伴います。下肢に発生することもあります。主としてβ溶血連鎖球菌による感染症で、感染経路は咽頭炎などの気道や外傷などの皮膚からとされています。皮膚病巣からの細菌の検出率は高くありません。抗生剤(ペニシリン)が有効です。
蜂窩織炎
足白癬や小さい外傷から二次的に感染して生じることがおおく、起因菌はブドウ球菌が主です。発熱や圧痛を伴います。治療は抗生剤の全身投与が主で場合により切開することもあります。



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